高3の秋口に気胸となった私は手術と2週間の入院生活を余儀なくされたのですが、その相部屋が呼吸器循環器病棟であったため、6人の患者は誰もが重病患者でした。
一人はもはや生きる気力もなくなり、ずっとカーテンを閉め、誰ともコミュニケーションを取ろうとしない方、そして私の前には認知症が進み、自分の症状が理解できていないお年寄りの女性。
ある日、その女性のもとに一人の若い男性が現れたのですが、私の目の前のベッドですのでその様子がそのまま伺え、目を凝らしていると、その男性が1冊の本を取り出し、その内容を読み始めました。
その本が何なのか、スグに解りました。
聖書です。
このような光景を17歳くらいの私が目にすることなどないのですが、その行為が何なのかもスグに理解できました。
「終末医療の一環か。確か、このお年寄りは明日、手術だったから。もしかして…」
次の日にそのお年寄りの手術が行われたのですが、その後、ICUから意外と早くに相部屋に戻られてきた際に、どうも足が壊死していたのか両足を切断する大手術を受けられていたことが解りました。
その夜中に術後の激痛があったのか、その方が泣き叫ばれたため、私が代わりにナースコールをしました。
と、いうような生死をリアルに考えさせる現場経験を積みました。
他にも色々エピソードはありますが、このシリーズでは長くなりすぎるため端折ります(笑)
まあ、この時にダメダメだった腐った私のマインドがマシな方向性に軌道修正されたのでした。
「生きる意味をもっともっと考えて行こう」
そして2週間が経ち、退院と共に第一志望の大学の推薦入試を受験しましたが、当然ながら勉強はストップしていたため、不合格。その後、一般入試でその大学に2回挑戦しましたが全くダメでした(全然勉強していないアホには偏差値60の壁って高いなーと痛感させられました)
結局、私は滑り止めの大衆大学へ進学し、京都の大学生になったのでした。
花の都「大京都」は憧れの街でしたので、兎に角、一人暮らしと音楽漬けの日々を夢見て、上京都したのでした。
しかし、大都会「京都」で新たなカルチャーショックに翻弄されることとなるのです。
絵本屋.comとは
2015年11月からサービスを開始した、大人向け電子書籍絵本レーベル。
大人が笑える、泣ける、癒されるといったピュアな感情を得られる絵本を所属の絵本作家陣と共に創作し、各種電子書籍絵本ポータルサイトで販売している。代表作のサトウヒロシ作「明日死ぬかもしれないか今お伝えします」はアマゾンキンドルストア総合ランキング第2位を獲得する大ヒット作(2018年12月にMBS「ちちんぷいぷい」に今井とサトウヒロシが生出演で作品が放送されている)絵本屋.comの一部の作品は海外でも人気を博し、中国、台湾、韓国、アメリカで紙書籍、電子書籍で流通している。